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「ほらー、悠樹はツンデレなんだよっ
な?ほらほら、このこのぉ♪」
「や、やめろ信二……!」
急に抱き着いてきた信二は、俺の頬を人差し指でツンツンしてきた。
な、何なんだ、今日の信二は……
本気を出したコイツは、こんなにもウザイのか!
「ゆ、悠樹から離れなさいよ信二!」
「なんだ?
ツンデレキャラを奪われそうで焦ってんのか?灰音」
「うぅっ!」
俺から離れた信二は、異常に滑らかな動きで灰音に迫る。
その気持ち悪さに、灰音は尻込みした。
「おい、信二……!」
「ひっ!?」
俺が介入しようとしたところで、いつもお決まりのあの声が聞こえた。
「ふっ!」
「サタデーナイトフィーバルルルンッ!」
机に手を置き、それを軸にして全身の体重を乗せた蹴りが、いつもの3割増しに不気味な信二の顔に命中した。
相変わらず、意味の分からない悲鳴だな……
「大丈夫だったか?」
「え、ええ。
ありがとう、悟志」
「気にすんなって!俺の仕事みたいなもんだろ?」と悟志は、爽やかに返す。
うーん、やっぱり悟志はカッコいいな。
「ぐっ……まだだ、まだ終わらんよ……!」
「いや、終わってくれ」
歯を食い縛りながら、信二は立ち上がる。
今日のコイツはどうしたんだ?
「あんなに可愛い子が来る、こんな佳き日に……倒れていられるかぁッ!」
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