第1話

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「ほらー、悠樹はツンデレなんだよっ な?ほらほら、このこのぉ♪」 「や、やめろ信二……!」 急に抱き着いてきた信二は、俺の頬を人差し指でツンツンしてきた。 な、何なんだ、今日の信二は…… 本気を出したコイツは、こんなにもウザイのか! 「ゆ、悠樹から離れなさいよ信二!」 「なんだ? ツンデレキャラを奪われそうで焦ってんのか?灰音」 「うぅっ!」 俺から離れた信二は、異常に滑らかな動きで灰音に迫る。 その気持ち悪さに、灰音は尻込みした。 「おい、信二……!」 「ひっ!?」 俺が介入しようとしたところで、いつもお決まりのあの声が聞こえた。 「ふっ!」 「サタデーナイトフィーバルルルンッ!」 机に手を置き、それを軸にして全身の体重を乗せた蹴りが、いつもの3割増しに不気味な信二の顔に命中した。 相変わらず、意味の分からない悲鳴だな…… 「大丈夫だったか?」 「え、ええ。 ありがとう、悟志」 「気にすんなって!俺の仕事みたいなもんだろ?」と悟志は、爽やかに返す。 うーん、やっぱり悟志はカッコいいな。 「ぐっ……まだだ、まだ終わらんよ……!」 「いや、終わってくれ」 歯を食い縛りながら、信二は立ち上がる。 今日のコイツはどうしたんだ? 「あんなに可愛い子が来る、こんな佳き日に……倒れていられるかぁッ!」
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