第1話

13/17
前へ
/197ページ
次へ
「……はぁ。ナニどや顔してんのよ。 アンタの言葉を借りるけど、ここはリアルよ。 この際だから言うけど、ゲームに出る女の子の心なんて、現実の女の子には全く当てはまらないから」 グサッ 何か聞こえた。 「もちろんだけど、今のもマイナスね。 客観的に見ても、信二。 アンタ、異性から見て魅力ゼロだわ」 「ぐ、ぐあぁぁッ!」 グサッ! ブスッ! ……信二は、本当に深い傷を負ったときは、普通の悲鳴をあげるようだ。 「……あ? なんだコイツ」 教室に入ってきた、2年1組担任――黒川先生は、目の前で四つん這いになって苦しむ信二を、冷たい目で見た。 「す、すぇんせぇぇぇ!」 「う、うおぉ……! さ、触るんじゃねえ……!」 信二は、血と水の入り雑じった涙と鼻水を垂れ流しながら、黒川先生の足に抱き着いた。 あの黒川先生が本気で困ってる……かなりレアな状況だぞ。 「先生……このクラスは、いつもこの調子なのですか?」 ん……今の声は。 「んなわけあるかってんだ…… あー!一ノ瀬! お前留年確定だからな! ほ、本当に離せって!」 「は、はいねがぁ……いじめるぅ……」
/197ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1234人が本棚に入れています
本棚に追加