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「……はぁ。ナニどや顔してんのよ。
アンタの言葉を借りるけど、ここはリアルよ。
この際だから言うけど、ゲームに出る女の子の心なんて、現実の女の子には全く当てはまらないから」
グサッ
何か聞こえた。
「もちろんだけど、今のもマイナスね。
客観的に見ても、信二。
アンタ、異性から見て魅力ゼロだわ」
「ぐ、ぐあぁぁッ!」
グサッ!
ブスッ!
……信二は、本当に深い傷を負ったときは、普通の悲鳴をあげるようだ。
「……あ?
なんだコイツ」
教室に入ってきた、2年1組担任――黒川先生は、目の前で四つん這いになって苦しむ信二を、冷たい目で見た。
「す、すぇんせぇぇぇ!」
「う、うおぉ……!
さ、触るんじゃねえ……!」
信二は、血と水の入り雑じった涙と鼻水を垂れ流しながら、黒川先生の足に抱き着いた。
あの黒川先生が本気で困ってる……かなりレアな状況だぞ。
「先生……このクラスは、いつもこの調子なのですか?」
ん……今の声は。
「んなわけあるかってんだ……
あー!一ノ瀬!
お前留年確定だからな!
ほ、本当に離せって!」
「は、はいねがぁ……いじめるぅ……」
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