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「げぇ……」
「な、なんで……」
みんなのリアクションで、勘のいい人ならもう分かったかもしれない。
そう、やつだ。
「お、悠樹たちじゃねーか!
あ、そっか、今日プール行くのか」
何やらいつもよりはるかにまともな私服姿で、信二は俺たちの元に駆け寄ってきた。
「近寄らないでくれるかしら?」
「消えて無くなってー♪」
「しっしっし!
こっち来ないでよバカ信二!」
「どっか行けよ」
「……というのが俺たちの総意です」
「ヒデェ……俺だって好き好んで外出してるんじゃねぇのに……」
そう言えば、なぜここにこいつがいるのか。
口ぶりからして、俺たちがここにいるからではないようだけど。
癪だけど、聞いてみた。
「で、どうしてここに?」
「はぁ……まあ、お見合ってやつだ」
「「「「お、おおおお見合い!?」」」」
今世紀最大の驚きであったことは言うまでもない。
いっそ、こいつが『お見合い』という言葉の意味をはき違えている方が、よっぽど自然だ。
「でも、あまり気のりしていなさそうね」
「毎度毎度、桜花たちの足元にも及ばないような見た目の子たちに、こっぴどく引かれて罵倒されるんだぜ……そりゃテンションあがらねーよ」
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