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「見た目をまず第一に考えてる辺り最低ね」
「けどまあ、見た目云々は置いておいても、罵倒されるのはたしかに落ち込むわな」
とまあ、疑問は聞き終えたし、強引に適当な切符を買わせて、無理矢理電車に押し込んでやった。
これ以上こいつをこの空間においておく理由は無いからね。
「悠樹……相変わらず信二にはきつく当たるね」
「あいつにはこれくらいがちょうどいいんだって。
桜坂祭のときも、少し優しくしてやったら付け上がってたし」
そうこうしているうちに、約束の時間5分前。
これは予想通り、灰音が来た。
「あれ……もう結構来てるじゃない」
「おはよ。
まあ、イベント時には早い悟志にみんな急かされてね」
「うっせーよ悠樹」
さて、あとは流華だけだけど……
「遅いな」
「遅いね」
「まあ、おおむね予想通りでしょ」
「はは……流華も相変わらずかぁ」
10分時間を過ぎた流華の、見え透いた言い訳を軽く流してから、全員そろった俺たちは、切符の中でも比較的高いものを購入し、電車に乗った。
目的地のそこは、ぎりぎり県外。
一度乗り換えを挟み、やっと着いた。
「あれ、たしかけっこう高い場所にあるって……」
「そんなのウソに決まってるじゃないですかぁ。
こんな大きい建物、そんな場所に作れませんって」
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