第5話

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「そうなんだ。 俺たちは、こっちの奏 流華のお婆さん経由で招待してもらったんだよ」 「き、聞いています。 待っていました」 彼、万里耶は俺たちを招き入れ、エントランスまで通してくれた。 先行招待だから、人はかなり少ないな。 鑑賞用の南洋植物が印象的な、広々とした空間が広がる。 「うわー……広いですねー」 「そうね。 これなら、客も多く来そう」 「ちょうど大都市の間っていう便利な場所にあるから、そういう意味でも来る人は多そうね」 「……ん、来たか」 各々の考えを述べていると、奥の階段から誰かが下りてきた。 長く艶やかな黒髪、そしてだるそうな目。 手には何やら難解そうな分厚い本が握られている。 「あ……紗奈」 「万里耶。 彼らが?」 「うん。 奏さんのお孫さんとそのご友人たちだよ」 「ふーん」 紗奈と呼ばれた少女は、まっすぐ俺たちの方へ向かってきたかと思うと、ずいっと一歩前に出てきて俺の顔をじろじろと観察し始めた。 さらには、顔に触れてきて―― 「えっ……」 「ちょ、紗奈……失礼だよぉ」 「待った待ったー!」 そこで割り込んできたのが、桜花。 御冠のようだ。 「何よ!登場するなりいきなり人の彼氏に!」 「なんだ。 心配する必要があるほど薄い情愛なのか?」
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