1234人が本棚に入れています
本棚に追加
「!
こんのぉ……!」
「落ち着けって……」
悟志たちも間に入り、なんとか事態は鎮火出来たけど……
一触即発だな。
「――で、改めて」
「加賀谷 紗奈(かがや さな)だ」
本から目を離さず、表情の全く見えない声で紗奈はそう言った。
「えっと、俺は……「神木 悠樹、か?」
「ちょ、まだ私たち名乗ってないわよ!?」
「神木 悠樹、天織 桜花、神木 美樹はこちらでも有名だからな」
「え……?」
おいおい、こんな遠い場所で有名なんてありえないだろう?
芸能人とかじゃないんだぞ。
「えっと、僕たち、桜坂に近いところに住んでいるんです。
それで、僕たちの学校でも、特に悠樹君が有名で……」
「流石だな?」
「やめてくれよ悟志……」
「……面白くない」
「は?」
この子は、独特というか、マイペースというか……
話の流れに関係のないことを、突拍子も無く入れてくるな。
何が面白くないのやら、紗奈はふらふらと建物から出て行ってしまった。
「ごめんなさい……紗奈って、自分の興味を誘わないものには、とことん無関心なんです……」
「まあ、それはいいんだけど……2人はどういった関係なの?」
「恋人です」
「え!?そうなんですか?」
「とてもそんな風には見えなかったわ……」
最初のコメントを投稿しよう!