第5話

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「広いなー!」 「すげぇ! テンション上がってきたー!」 俺と悟志の、初見での感想はこれだった。 中央には円環状のいわゆる流れるプール、右端には子供用プールとジャグジータイプの温水プール。 そして、なんといっても奥の方にある―― 「おい悠樹! あれはマジでテンション上がるな!」 「だね。 早くみんな来ないかなー!」 長蛇の如く、複雑に絡み合う大迫力のウォータースライダー。 これが、俺たちの心を大きくときめかせていた。 「ぼ、僕は少し怖いかな……」 「ははは、なんだよ、万里耶は小心者だなー」 「うう……よく言われるよ」 「まあ、苦手なものは誰にだってあるでしょ。 俺も、お化けは大丈夫だけどお化け屋敷は苦手だし」 当たり前に「え?」というリアクションをした万里耶に、その理由を話そうとしていると―― 「おっ待たせ! どう、悠樹?」 「あ、桜花。 ど、どうって……」 「バカ悠樹。 そりゃ、場所とシチュエーションを考えりゃ、すぐ分かるだろ?」 今朝の美樹の葛藤を思い出した。 あ……水着か。 悟志、小さな耳打ちの助け舟、ありがとな。 「前より派手になったね……でも、似合ってるよ」 「そんなこと分かってる分かってる! で、どう? 悠樹の好みには?」
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