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「広いなー!」
「すげぇ!
テンション上がってきたー!」
俺と悟志の、初見での感想はこれだった。
中央には円環状のいわゆる流れるプール、右端には子供用プールとジャグジータイプの温水プール。
そして、なんといっても奥の方にある――
「おい悠樹!
あれはマジでテンション上がるな!」
「だね。
早くみんな来ないかなー!」
長蛇の如く、複雑に絡み合う大迫力のウォータースライダー。
これが、俺たちの心を大きくときめかせていた。
「ぼ、僕は少し怖いかな……」
「ははは、なんだよ、万里耶は小心者だなー」
「うう……よく言われるよ」
「まあ、苦手なものは誰にだってあるでしょ。
俺も、お化けは大丈夫だけどお化け屋敷は苦手だし」
当たり前に「え?」というリアクションをした万里耶に、その理由を話そうとしていると――
「おっ待たせ!
どう、悠樹?」
「あ、桜花。
ど、どうって……」
「バカ悠樹。
そりゃ、場所とシチュエーションを考えりゃ、すぐ分かるだろ?」
今朝の美樹の葛藤を思い出した。
あ……水着か。
悟志、小さな耳打ちの助け舟、ありがとな。
「前より派手になったね……でも、似合ってるよ」
「そんなこと分かってる分かってる!
で、どう?
悠樹の好みには?」
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