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知佳は、流華や灰音と同じ桜坂学園の制服に身を包んでいる。
と言うことは。
「……で、知佳。聞きたいことは山ほどあるけど、その服装、まさか……」
「ええ。
日本に来たら、あなたがいる学校に通いたいとお母さんに言って、この桜坂学園に編入することになったのよ」
なんか簡単に言ってのけてるけど、聞いたことあるぞ……
桜坂学園の編入試験は、合格できたら難関大学へも行ける って。
こ、こんなにスゴいとは……!
「で、再会早々で悪いんだけど、校長室まで案内してもらえないかしら?」
校長室……そこは文字通り、校長のいる部屋であるわけだ。
つまり。
「あのー……この学校の校長先生を知ってますか?」
「……?
編入試験にこの土地の歴史は含まれてたけど、さすがに歴代の校長までは勉強してきてないわ」
「いや、そうじゃないわよ……
さらっとスゴいわね」
この様子だと、知らないようだ。
「まあ、いいか……
うん、案内するよ」
「引っ掛かるわね……
でも案内してもらえるなら、それでいいわ」
凛と知佳は言い、何とも珍妙な組み合わせの4人は校舎へ入っていった。
「失礼いたします」
まるで面接か何かのように、知佳は機械的に美しいまでに洗練された動きで、礼儀正しく校長室へ入室した。
俺たちも、その場に相応しい程度に気を払って続く。
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