約束

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約束

「そうなんだ」 男は呟くように言って空を見上げた。 女は憂い顔で男の横顔を見つめ、吐息を吐いた。 それから会話は交わされることはなく男と女は眼前の海の姿をぼんやり眺めて時を過ごした。 辺りが暗くなり、三日月が煌めくようになった。 女は男の肩に頭をもたれて男は頭を女の頭に触れて、青白い月を見つめた。 男は囁いた。 「どんな結論を出し、何を始めたとしても君を支えるつもりだ」
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