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✒ 蝙蝠
子供の頃、姉が夕食を食べに来い、
というので、
断るのも悪いから、
行くと言った。
家で母が夕食を作っているから、
本当は断れば良かった。
私は、母の夕食を食べてから、
姉の家に行き、また食べた。
無理して食べたから、
美味しくなかった。
後日、姉の旦那と顔を合わせた。
義兄は、大変な形相で
私に向かって、「蝙蝠」と怒鳴った。
私は、びっくりして、怖くなり、
逃げるように姉の家を出た。
なんで、「蝙蝠」なんて
言われたんだろう?
私は、怯えながら考えた。
その結果、母と姉の夕食を食べたことを非難して、
「蝙蝠」と言ったんだ、とわかった。
別に食べたくて食べたわけじゃない。
姉の強引な誘いを断れなかっただけだ。
なのに義兄から、「蝙蝠」と非難された。
悔しかった、…。
そんなことがあってから、
私は、姉に食事に来いと言われても、
絶対に行かなかった。
義兄に「蝙蝠!」と怒鳴られたことが、
忘れられない傷に
なっていたからで
ある。
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