care me!(スクフラ)

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care me!(スクフラ)

  「隊長ー」 「…………。」 「隊長ー隊長ー」 「…………。」 「たーいーちょー」 「ゔぉおい! うるせーぞフラン!!」 「隊長の声の方がウルサイですー」 「…オレは忙しいんだぁ、用がないならどっか行け!」 「用ならありますよー、構ってくださーい」 「忙しいっつー単語が聞こえなかったかぁ? このクソガキ」 「聞こえませんー、隊長ーヒマです構って構ってー」 「…………」 目眩がした気がして額を押さえる。 今なら頭痛が痛いだって普通に使えそうだ。 どれだけ自分の頭が痛いのか分かってもらえるだろう。 目の前で駄々を捏ねる翡翠色の髪をした子供の襟を捉える。 力任せに引き寄せるとその軽い身体は簡単に目と鼻の先に。 そのまま紅い唇へと噛み付けば目を見開いて驚いた様子が窺えた。 ざまァみろ。 「一時間大人しくしてろぉ、そしたら構ってやる」 「………はーい」 小さく鼻を鳴らしながら手を離す。 そうすれば甘えたように腰へ腕を回して擦り寄ってきた。 だがそれは耳まで赤く染まった顔を見られたくないが故の照れ隠しだと、オレは知っている。 そして。 「隊長隊長ーヒマですー」 「ゔぉおい! まだ10分も経ってねーぞぉ!!」 …こうなることも、だ。 おとんスクと甘えんぼフラン。
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