10人が本棚に入れています
本棚に追加
亀はゆっくりと頭を下げて、モリマーと向き合うと言いました。
「モリマーと言ったね。
今日は大人になった日じゃない。
大人になるために始まる新しいスタートの日さ。
これから自分で全てを決める。全てが自分の思うままだし、思うとおりにならないのは全て自分のせいさ」
亀はまたもとの岩のように、頭を埋めて目をつむりました。
「待ってよ、ボクはどうしたらいいの?」
モリマーは【ポスン】と亀の顔に体当たりしました。
1人にしないで、と泣きそうになりながら。
「どうしたいのさ、全部自分で決めていいのに、なぜ私に聞くんだい」
亀は左目を半分だけ開けて、答えを待たずに言いました。
「うちに帰りたければ、うちにお帰り。進みたいならどこかにお進み」
最初のコメントを投稿しよう!