スタート地点

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亀はゆっくりと頭を下げて、モリマーと向き合うと言いました。 「モリマーと言ったね。 今日は大人になった日じゃない。 大人になるために始まる新しいスタートの日さ。 これから自分で全てを決める。全てが自分の思うままだし、思うとおりにならないのは全て自分のせいさ」 亀はまたもとの岩のように、頭を埋めて目をつむりました。 「待ってよ、ボクはどうしたらいいの?」 モリマーは【ポスン】と亀の顔に体当たりしました。 1人にしないで、と泣きそうになりながら。 「どうしたいのさ、全部自分で決めていいのに、なぜ私に聞くんだい」 亀は左目を半分だけ開けて、答えを待たずに言いました。 「うちに帰りたければ、うちにお帰り。進みたいならどこかにお進み」
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