利用してくれて構わない

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やっとたどり着いたのは立派なマンションで、佐倉さんの生活の良さが目に見えてわかる。 とにかく起きて貰わないと。 流石に中までは入れない。 「佐倉さん。佐倉さん。起きて下さい!家につきましたよ~!」 肩を揺すってみるが、佐倉さんの首が傾いたくらいで何も変化は無かった。 どうしよう。 嫌だよ!早く起きてよ! 明日私大学あるから早く帰りたいのに。 「ん…。」 ピクリと佐倉さんの目が動く。 あ、と思ったら佐倉さんの目が段々と開いていった。 でもまだ酔いが醒めていないのか潤んだ瞳で見つめられる。 不謹慎だけど、可愛いです…。〓 「あ…。佐倉さ…。」 「未来…!」 名前を呼んだかと思うと急に私の体を引き寄せて、佐倉さんに腕の中に閉じ込められてしまった。 つまり、抱きしめられた。
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