利用してくれて構わない

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『柏木 未来』 ディスプレイには…見覚えある名前が並んでいて…。 私の事を抱きしめている佐倉さんの腕と、あの甘い声。 その全てが繋がった気がした。 「そっか…そうなんだ。」 重ねてたんだ。 私と…彼女を。 一向に出ない事に諦めたのかコールが途切れた。 だけどまだ頭の中ではうるさいくらいにコール音が響き続ける。 最初に名乗った時、動揺していたのも。 今抱きしめられているのも。 全ての理由がはっきりした。 私は佐倉さんが恋い焦がれてやまない人と…同姓同名だった。
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