利用してくれて構わない

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数秒間触れあっていた唇が、今度は急に離れた。 「え!?柏木さん…!?」 佐倉さんの意識が戻ったらしい。 とりあえず離れた唇に安堵すると体から力が抜けて、地面に座り込んでしまった。 「な、何で柏木さんがここに!?っていうか今…キス…!?」 どうやら酔いつぶれていた間の事は何ひとつ覚えていないようだ。 多分目が覚めたら私とキスしていた…っていう認識になっているはずだ。 「何にも覚えてないんですか…?」 「俺とんでもない事を…!!初対面の柏木さんにいきなり!」 パニックになってる。 でも…。 この状況は少し好都合かもしれない。 私だって好きな相手と間違われて、好きな人にキスされたなんてなっとくがいかない。 「佐倉さん。責任取って下さい。」
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