紅茶

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粉雪が降る肌寒い日、俺はビニール袋を片手にいつもの場所へと向かう。 ――なんだか、今日は一段と寒い。 景観に溶け込むような白い建物へと入った俺は、いつものように305号室へと足を進める。 特別に用意されたその個室に入ると、いつものようにそいつはベッドの上に存在する。 色素の抜けたような白い髪、整った顔立ち、どこか儚げなその表情。 「おっす、奈津美」
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