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「そういや、お前知ってる?」
一日の締めであるホームルームが終わり、クラスがざわめき始める放課後。
僕が鞄に教科書を詰めている横で、帰り支度を既に済ませたクラスメイトの天枷修二(あまかせ しゅうじ)が、いつもの飄々とした態度で喋りかけてくる。
「秋田県のほうで吸血鬼が発見されたんだってよ。すぐに退治されたらしい」
「ふぅん……」
「警察が数人掛かりで首を切り落としたって。やっぱ首でも切り落とさない限り、吸血鬼は殺せないのかな」
「そうなんじゃない……」
僕は吸血鬼関係の話は余り好きじゃなかったので、適当に返す。
その反応が修二にとって気に食わなかったのか、眉間にしわを寄せて不平を漏らす。
「なんだよ、どうでもいいみたいなその態度。……相変わらず弦は冷めてるな。最近またこの町にも吸血鬼が出たって話だろ。お前、怖くないの?」
「別に、怖くないよ……」
僕は修二のほうを見ずに、ひたすら帰り支度を続ける。
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