たった一つ、伝えたい言葉

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「美樹!!今日は昨日より遅かったな」 「うん、茜が居ないとてこづって…」 「今日茜やすみだったな」 「うん…」 相変わらず英語が苦手な私はこの日も補充を受けていた 「野球部も終わり?」 片付けをしている様子の野球部 邪魔になるといけないから私は剛くんに「じゃあ、また明日」と声をかけた 「あ、美樹!一緒に帰んねえ?片付けもうすぐだし…」 剛くんからのお誘いに私は笑顔で答えた 数十分後、片付けと着替えを済ませた剛くんが来た あんまり遅くなってしまったから、夕飯は私の家で食べてもらった 「悪ィな、美樹んちでごちそうになって」「ううん、剛くんがいると楽しいしお母さんも喜んでたから」 部活が終わってお腹がすいていたらしく、剛くんは夕飯を美味しい美味しいとたくさん食べてくれた 作ったお母さんもすごく喜んで、終始ご機嫌だった 「あ、そだ。姉ちゃんが2つあるからって」 そう言って剛くんこいぬとこねこの鈴のキーホルダーをくれた 「可愛い…」 「美樹いるか?あ、でも俺とお揃いだしいらねぇよな」「よければほしいな、可愛いし」 「そか!なら…」 剛くん知ってる? 茜と帰る時も、肩を組んでくれた時も、お昼ご飯交換した時も、剛くん待ってる時も、そしていまこうしてる時も…、私は勝手に期待して、そして 「やっぱり女友達とお揃いて嬉しいけど照れるな」 ―不安になる 「ダウトッ!!」 「ッ!!」 「悪ィ、美樹…」 「いーのいーの、こういうゲームだし」 「うちの美樹泣かせんなよ!?」 「泣かせるかよ、大切な友達なんだから」(“友達”…ね…) その表情の向こう、本当は何を思っているの? ごめんね剛くん… 「今日の数学、剛くんと一緒で良かった」「英語だけかと思ったけど、数学も苦手なんだな」 “友達”なんて言葉じゃ私は― 「剛くん…、私…剛くんにどうしても伝えたいことがあるの。いいかな?」 たった一つ、伝えたい言葉があるの―
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