3人が本棚に入れています
本棚に追加
「美樹!!今日は昨日より遅かったな」
「うん、茜が居ないとてこづって…」
「今日茜やすみだったな」
「うん…」
相変わらず英語が苦手な私はこの日も補充を受けていた
「野球部も終わり?」
片付けをしている様子の野球部
邪魔になるといけないから私は剛くんに「じゃあ、また明日」と声をかけた
「あ、美樹!一緒に帰んねえ?片付けもうすぐだし…」
剛くんからのお誘いに私は笑顔で答えた
数十分後、片付けと着替えを済ませた剛くんが来た
あんまり遅くなってしまったから、夕飯は私の家で食べてもらった
「悪ィな、美樹んちでごちそうになって」「ううん、剛くんがいると楽しいしお母さんも喜んでたから」
部活が終わってお腹がすいていたらしく、剛くんは夕飯を美味しい美味しいとたくさん食べてくれた
作ったお母さんもすごく喜んで、終始ご機嫌だった
「あ、そだ。姉ちゃんが2つあるからって」
そう言って剛くんこいぬとこねこの鈴のキーホルダーをくれた
「可愛い…」
「美樹いるか?あ、でも俺とお揃いだしいらねぇよな」「よければほしいな、可愛いし」
「そか!なら…」
剛くん知ってる?
茜と帰る時も、肩を組んでくれた時も、お昼ご飯交換した時も、剛くん待ってる時も、そしていまこうしてる時も…、私は勝手に期待して、そして
「やっぱり女友達とお揃いて嬉しいけど照れるな」
―不安になる
「ダウトッ!!」
「ッ!!」
「悪ィ、美樹…」
「いーのいーの、こういうゲームだし」
「うちの美樹泣かせんなよ!?」
「泣かせるかよ、大切な友達なんだから」(“友達”…ね…)
その表情の向こう、本当は何を思っているの?
ごめんね剛くん…
「今日の数学、剛くんと一緒で良かった」「英語だけかと思ったけど、数学も苦手なんだな」
“友達”なんて言葉じゃ私は―
「剛くん…、私…剛くんにどうしても伝えたいことがあるの。いいかな?」
たった一つ、伝えたい言葉があるの―
最初のコメントを投稿しよう!