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自らを城崎真一郎と名乗った男性は三十路前後くらいでモノクルをつけているがカチューシャで止めているオールバックの髪型のせいか知的に見えない。
しかもしゃべり方が若干片言である。
「まずおまえには姫の捜索及び、その途中で遭遇した奴らを叩いて貰う任務についてもらう。部下はいくらつけてもかまわん」
「イェッサー」
東條から紙を受け取り城崎は敬礼する。
「そしておまえの部隊の例の奴だが……」
と東條は続ける。
話の意図を察知した城崎は頷いて言葉を紡いだ。
「ハイ。あの子も歳頃デスからね。楽しみついでにスパイ的なこともやらせましょうか。姉の方もいマスしね」
少し心配そうな表情をした東條は自分の部下を信じることにして風を切るように手をバッと横に一閃した。
「そうだな。よし! では任務に移れ!」
「イェッサー」
そして城崎はすぐに部屋を出ていった。
(だがやはり姫の方が心配だな……)
東條は無線を取り出し誰かに繋げた。
「帝国護衛団団長の東條だが。任務だ。もうそちらにも伝わってるとは思うが姫の捜索をしてくれ」
「゙はいはーい。帝国護衛団第二部隊隊長、六道です。いきなりですね~。まぁわかりました!゙」
無線からは快活で明るいイメージの女性の声が聞こえてきた。
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