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「ちゃんと返事をせんか!」
東條は軽い返事で返してきた六道に無線を通して怒鳴りつける。
もちろんその部屋で仕事していた人達はまたもやビクッとした。
「゙イェッサーイェッサー。ちっ、これだから堅物は……゙」
「何か言ったか?」
六道の軽口に低くドスのきいた声で返す東條。
「゙い、イェッサー!!゙」
そのままブツンと無線が切れた。
切ったのは東條である。
「さて、私は私で仕事があるからそろそろ学校に向かうとするか……」
そう言って一通り書類に目を通して部下に何らかの指示を出し、東條は立ち上がって部屋を出ていった。
………
……
…
その頃、時を同じくして……。
「段……ボール?」
ショートウルフの黒髪に、深緑色のブレザーに白いワイシャツを着た十代半ばくらいの少年が、自動販売機の横にちょっと癖のある黒髪ロングで紫色が基調で赤い花柄の浴衣のような和服を着た少女が三角座りで段ボールの中にすっぽりと収まっていたのを見て思わず声を出してしまった。
(え? ちょっと待てよ!? え? マジ? 捨て子? でも……)
などと頭が混乱しているとその少年の視線に気付いた少女は段ボールをもう一つ取り出しそれを被り、完全に外界と遮断した。
そして一言話しかけてきた。
「ねぇ……」
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