序章

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今日は私の通う高校で卒業式が行われる。 通うというよりは通っていた、の方が正しく卒業するのは私本人。つまり私の晴れ姿をその目に焼き付けようと、両親が朝から娘がよく見えるベストポジション(場所というより席)を確保するため、張り切っているというわけだ。 消防の運動会でもあるまいし朝一番で家を出ることもないのではないかと思うのは私だけではないはず。 「じゃあ行ってきます」 「おう行ってこい娘よ!悔いが残らないよう頑張るんだぞ」 果たして卒業式で何を悔い、何を頑張るのか教えて頂きたい。 そんな疑問を胸に抱きつつ、私は最後となるであろう学校への道のりを歩き出した。 登校途中にある友人の家。幼なじみと言えば響きはいいし、ギャルゲ視点から見ても攻略対象に成りうるが、多分こいつと私は幼なじみなんて可愛いらしくデフォルトされたものではなく、腐れ縁が最も適切と言えよう。 幼なじみと腐れ縁の違い?好意的か否かってことだよ。多分。
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