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ただ、怖いと泣く君に
沈む夕陽。
2人で砂浜に座って、眺める。
遥は、すごく悲しそうな……それでいて、穏かな顔をしていた。
その表情からは、彼女が何を考えているのか見当もつかない。
きっと遥も、俺がこんなことを思い出しているなんて、思いもしないだろう。
俺だって、別に思い出したかったわけじゃない。
「尚人……ありがとう」
急に、遥が顔を上げた。
俺は、驚いて……何か言おうとしたけれど、
──ここに、連れて来てくれて……
そう、はにかむ彼女の頭を……
「どういたしまして」
そっと撫でることしか出来なかった。
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