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──気持ちというものは、記憶がないと成り立たないのか。君の記憶が失われた時、俺への愛も冷めてしまうのか……
嫌だ、と思ったところで、決して止まる事なく流れゆく刻。
もしも、これが変わることのない「運命」とやらで。
もしも、初めから決まっていたことなのだとしたら……
俺は、何をしただろうか。
簡単なこと、なのかもしれない。
きっと俺は、神様、とかいう奴を嫌悪する。
嫌って、恨んで、罵って……
それでも、それと同時に……
俺は、神に祈るのだろう──
どうか彼女を助けてくれ、と。
少しずつ消えていく記憶の中で、俺との思い出だけは残してくれ……と。
それが無理だというのなら、彼女の中に最後まで残っている記憶が……
どうか……俺と過ごした日々でありますように──
【君から俺が消えるまで】
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