♯プロローグ

2/2
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
  ──気持ちというものは、記憶がないと成り立たないのか。君の記憶が失われた時、俺への愛も冷めてしまうのか…… 嫌だ、と思ったところで、決して止まる事なく流れゆく刻。 もしも、これが変わることのない「運命」とやらで。 もしも、初めから決まっていたことなのだとしたら…… 俺は、何をしただろうか。 簡単なこと、なのかもしれない。 きっと俺は、神様、とかいう奴を嫌悪する。 嫌って、恨んで、罵って…… それでも、それと同時に…… 俺は、神に祈るのだろう── どうか彼女を助けてくれ、と。 少しずつ消えていく記憶の中で、俺との思い出だけは残してくれ……と。 それが無理だというのなら、彼女の中に最後まで残っている記憶が…… どうか……俺と過ごした日々でありますように── 【君から俺が消えるまで】
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!