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「何?」 「いや、なんでも」 僕は手を引っ込め、先程取り出した教科書を元の場所へ戻した。 「今日の分は終わった?」 「うん、予習も復習もやったし、宿題も今終わった」 「じゃあ今日は終わりにしよう、お疲れ様」 美波は机の上を片付け始めた。 時計を見ると針は9時をさしていた。 「圭吾、もう帰る?」 「そうしようかな、やることないし」 今日はいつもより1時間早く終えたのだった。珍しく美波が黙って机に向かったからだ。
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