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「待って!待って下さい!」
声が届いたらしい。自転車が止まった。
乗っていた人は、私と同い年くらいの男の人だった。
顔立ちは整っていて、黒髪。あとは、長い睫毛が目を引く。
「ん、どうしたの?」
少し高い、よく通る声。
間違いなく、かっこいいと言われる部類の人だろう。
「あ、あの…ここは、どこなんですか?」
男の人は少しきょとんとした後、納得したように頷いた。
「あぁ、新入りさんか」
「新入り?」
「うん。ここにはね、たまに人が入ってくるんだ。俺もずっと前にここに来た」
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