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-正体-
―気をつけっ!礼ツ!!
「「あっしたっ!!」」
午後六時をまわった頃、練習が終了しみんな思い思いに下校していく。
「今日も異常なし・・・っと」
春也はキャプテンとして最後のチェックをして部室を後にする。
「毎日ごくろーなこってすねぇ」
「当たり前だ。お前がガサツすぎるんだ和。」
「へいへい んで、何か分かったか?ストーカーもどきのこと」
帰り道。二人は家も近くなので毎日一緒に登下校している。
「イヤ、なんも」
「そっか~ じゃあやっぱし商店街のやつらなんだよ。ちょうど店じまいの時間だしピッチングだけ見て帰ったんだな、ウンウン」
手を顎にあて、ウンウン頷いている和大。その姿は毛利小〇郎を思わせんばかりの探偵っぷりだ。
「だな。次来たらはガツンと言ってやろう。」
―ちがう
「なんなら本番も全部まっすぐにするか?」
無邪気に笑う和大
「ハハハ、それはさすがに馬鹿にしすぎだろう」
―ちがうんだよ和
「そっかぁ?いいと思うんだけどなぁ」
こんな話をしながら別れ道となる十字路に到着し別れを告げる
「じゃまた明日な和」
「おう~!明日さぼんなよ~」
和大の後ろ姿を見送り、春也は不意に振り返る
「・・・一体なんだこの正体は・・・」
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