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「アハハハ!ストライ~ク!アハハハ!」
甲高い女の笑い声が聞こえる。
それで春也は確信した
「・・・あいつか・・・ん?」
女の足元にはスーパーのビニール袋が置いてある。そこにタマゴが入っていてそれを投げたと考えれば犯人があの女だと結論づけるのは容易だ。
しかし女までは20m近くある。
そこから重心の安定しないタマゴを投げて俺の顔面に当てたとは考えにくかった。しかも反応が追いつかないほどの早さで。
「何だあいつは?」
女はこっちに歩いてくる。
「君が悪いんだからねっ!あんなに呼んだのにシカトするんだもん!」
女は春也を指さして言う。
「俺に話かけていたのか」
素でそう返す春也
「は!?当たり前でしょ!?大体公園いるのもアンタだけだし、バッターって言ってるんだからピッチングしてるアンタに決まってんでしょ!?もしかして頭弱い子!?」
ケンカ売ってんのかこの暴走女は?
それでも口には出さない春也
実にクールである。実に紳士である。
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