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鵺の正体が判明した。
そんな一報を耳にしたのは、俺が鵺との戦闘に唯一生き残った日から半月が経過した頃だった。
結局、俺はあの鵺を倒す事は出来ず、逆に返り討ちに遭い、ガタノトーアは再起不能になるまで分解され、俺は俺で死の代わりに全身打撲を喰らって今に至っている。
俺がゲーム会場から引き離された二週間の間にも、鵺のバトルゲーム来襲は過激化、5つのゲーム会場が使用不能、約8,000のゲームの駒が使い物にならなくなった。ゲームは壊滅的状況、主催者共は血眼になって鵺を追い続けていた。だが、見つからない。
権力を持つ連中が全力を尽くしても暴く事の出来ていない鵺の正体。その情報が俺のもとに転がり込んできた。提供したのは、俺の出資者、俺を最下層のスラム街から引っ張り出し、『レッグ・イーター』に仕立て上げた張本人、ゲームの主催者に成り損ねた中途半端な富豪の男だった。
この男が言うには、鵺と呼ばれる化け物の正体は、正式には『獏』という名のDHA、HAとは文字通り別次元の世界に存在する兵器。獏の搭乗者の夢の世界に対象物を引き込み、殲滅させるという、一体どういう脳味噌の使い方をすれば思いつくのか分からない、実にファンタジーじみた戦い方をするトンデモ兵器だ。
俺が生まれる数百年前に建造が始まった、バトルゲームが全人類を巻き込む規模へと変貌する過渡期にそれを阻害するという使命を持った、正義の味方、だったモノ。
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