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 競走馬の全部が全部、選択の自由も無く放り込まれた状況に苦しむのか? その中には与えれた状況を悦ぶ競走馬だっている。俺は紛れもなく悦ぶ馬だ。  無限地獄に飛び込み、地面に鋼鉄の脚が突き刺さると共に、俺を包む空間が激しく揺れる。モニタを見つめれば、目の前には4体の巨大な機械人形、ヒューマノイド・アーミー(HA)が立っている。全機遠距離攻撃仕様、それも旧型。  絶好のカモだ。  俺の口元に醜い笑みが漏れ、右足のペダルを強く踏み込み、俺は俺のHA、『ガタノトーア』を前進させる。狙うは一番近い緑のHA。  狙われたHAは錯乱状態に陥り、トリガーハッピーとも言わんばかりに両腕両肩に構えた四門の巨砲を滅茶苦茶に放ち始める。やはり新兵、もしくは命の危機に瀕した事の無い臆病者か。  なんだ、俺の大好物じゃないか。  笑いながらレバーを器用に弄り、ガタノトーアに搭載された二本の超振動ブレード、『フラガラッハ』を起動、当たる筈も無い砲弾を避けながら、鋼の指にブレードの柄を合体させる。  至近距離、フラガラッハの牙と巨砲の咆哮が交差する。どちらも命中した瞬間、HAは兵器としての能力を失う。  まさに生存を賭けた交錯。これがたまらない。
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