177人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
別にとくに意味はなかった。
だが彼はこの世界に少々疲れたと言ったらいいのか、ほんの少しだけ自暴自棄になりたかった。
まぁそんな激しい自暴自棄ではない。
ただ仕事をサボるだけの簡単なものだ。
しかし彼にとってはそれは大きな事だ。
騎士と言う大変な役職でも休むことなく毎日働いていた。それは上司から「皆勤賞でもあげたいくらいですな。」とにこやかに笑いながらも言われるほどだ。
部下からも信頼は厚く、毎日挨拶されるくらいに。それはまぁ他の騎士が酷いというのもある。
部下に体罰など、これが上司のやることか、と思うくらいの事を。
しかし彼はそんな事をしない。
いつでも真正面から返事をしてくれ、悩みなども素直に聞いてくれる。寡黙な部分があり、一部の部下にはファンクラブさへもあることだ。
そんな真面目な彼がサボってしまったのだ。
今頃、城のほうでは大混乱だろう。敵が攻めてきたら少々やばい。みたいな。
最初のコメントを投稿しよう!