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まぁそんな事情は右に置いておこう。
こんな綺麗な海が見えるのに暗い話しはなしだ、と思いガバッと騎士は立ち上がった。
彼がいる場所は海が見える海岸近くの岩がたくさん連なっている所で、あまり人からは見えにくい所にいた。
もしかしたら部下達に見られると言う心配はあまりなさそうだ。
はぁ、と彼は溜め息をその海に向かってする。
「此処は寒いな……。」
吐き出す息がすべて白になる。
それは悲しくなるほどに。
ひゅおっ、といきなりの風に彼は肩を竦ました。
その風になびかれ、前髪が浮かび上がり、隠していた左眼が一瞬だけ世界に現れる。
その色は赤。
右眼の青の色とは違いその色は忌み嫌われた色であった。
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