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「………。」
彼の眉間にしわがよる。
何か嫌な事でも思いだしたのだろう。
そんな思いを振り離すようにきびすを返し、城に戻ろうと脚を進めようとした。しかしコンッと言う音が足元から聞こえ、立ち止まる。
そこには丸い、翡翠色の石があった。
ほぉ、と立ち止まりその石を手にとってみる。キラキラと中が虹色に光っている。
「いやいや…。何をやっているんだ俺は……。」
城へ戻るはずが何故石なんぞに時間をとられていれんだ、と。
そう自分にツッコんで立ち上がりその石を海に放り投げた。
「いたっ!!?」
いた……ita………板………痛っ!?
海に背を向けていたがその声に勢いよく振り向いた。
おかしい。この岩の下は確か海だ。海。もしくは水だ。waterだ。なのに何故、女の声が聞こえたのだ!?はっ!!もしかして誰か溺れていたのか!?!そうなれば大変だっ……人を助け、生かすのが俺の仕事だ!!
急いで助けなければっ、と勢い込み岩から海へ顔を出す。
「大丈夫かっ!?今助け……て………。」
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