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彼は見た。
岩の下、海の上に浮かぶ白髪の女の子が。
髪は白く、長く肌にふれあい美しく流れていた。
しかしおかしいのだ。
腰から上は普通の人間。しかしその人間が普段持つであろう足が、ないのだ。
いや、ないのではない。あるのだ。だが。
それは、魚と同じだったのだ。
これは世に言う【人魚姫】と言うものではないのだろうか。
と首を傾げてみていると、その子と目があい……。
「…………。」
無言の見つめ合いが続いた。
「………夢、か。」
その見つめ合いに終止符を打ったのは騎士だった。
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