第1章

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「今日のあの『ふるい掛け』、昼休みの校庭でやっちゃったでしょ? つまり全校生徒が見てたわけ」 「うんうん」 「もし、これから入部した新入生が、今日ボコボコにしたあの50人の中の1人よりも弱かったら?」 「あ~……辻褄あわなくなっちゃうもんねぇ」 「それにあの50人なら、例え40度の熱が出てたって勝てただろうし……まぁ、最初から論外だったってことだよね」 手厳しいなぁ、と、未来は軽く伸びをして、可愛らしいあくびを1つ。 わずかに涙目となった未来は、指先で目元を拭いながら「まぁさ」と口を開いた。 「まだまだ時間もあるし、ゆっくり部員募集しようよぉ。もしかしたら、今日お休みしてた子が、私たちより強いかもしれないよ?」 「――……だね」 流歌はもう一度ため息をついて、席を立った。 「じゃ、今日は帰ろっか。どっか寄ってく?」 すると、未来はうれしそうに跳ねて立ち上がった。 「じゃあじゃあ! 駅前に新しく出来た整備屋さん見に行こぉっ!?」 ふと、流歌は立ち上がった未来の全身を見た。
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