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「今日のあの『ふるい掛け』、昼休みの校庭でやっちゃったでしょ? つまり全校生徒が見てたわけ」
「うんうん」
「もし、これから入部した新入生が、今日ボコボコにしたあの50人の中の1人よりも弱かったら?」
「あ~……辻褄あわなくなっちゃうもんねぇ」
「それにあの50人なら、例え40度の熱が出てたって勝てただろうし……まぁ、最初から論外だったってことだよね」
手厳しいなぁ、と、未来は軽く伸びをして、可愛らしいあくびを1つ。
わずかに涙目となった未来は、指先で目元を拭いながら「まぁさ」と口を開いた。
「まだまだ時間もあるし、ゆっくり部員募集しようよぉ。もしかしたら、今日お休みしてた子が、私たちより強いかもしれないよ?」
「――……だね」
流歌はもう一度ため息をついて、席を立った。
「じゃ、今日は帰ろっか。どっか寄ってく?」
すると、未来はうれしそうに跳ねて立ち上がった。
「じゃあじゃあ! 駅前に新しく出来た整備屋さん見に行こぉっ!?」
ふと、流歌は立ち上がった未来の全身を見た。
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