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◇◆◇
「流歌さん、大丈夫ですの?」
「あ、えと……」
自分で撃墜した戦艦に押し潰されそうになる、という最悪に格好悪い場面を助けてくれたのは金髪の彼女だった。
墜としたのは全長50m程度の軽戦艦。
突撃にも使われる小型の戦艦はこれまでにいくつも落としてきたが、足が滑って潰されそうになったのはこれが初めてだ。
外部接続した《アウローラ Mk.Ⅱ》の左腕一本で戦艦を受け止めさせて、彼女は振り向く。
人形のように可愛らしく整った顔は肌が真っ白で、碧く透き通った瞳がまるで宝石のように見えた。
戦艦の爆発により凄まじい暴風が2人を襲う。
しかし、彼女が左手で展開している防御術式のおかげで、炎はこちらにやって来なかった。
風になびく金の長い髪が炎の光を反射してきらきらと輝いている。
それが余計に彼女の美しさを際立たせていて……流歌は完全に心奪われてしまった。
「流石に強いですわね、《神ノ聖国》は。これだけの数の戦艦を持っているとは驚きですわ」
「え……う、うん……」
彼女はそんなことを言って、再び機神の操縦漕へと戻っていった。
「あともう少しでパレ・カルディナルですわ、頑張りましょう!!」
「――……」
そう言った彼女は、魔法陣を展開して5機の機龍を同時使役。
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