序章

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◇◆◇ 魔法。 それは人類史上、最も偉大な発見だった。 近年、石油や天然ガスなどのエネルギー資源の枯渇がいよいよ本格的になってきたところに、いきなり発表されたのが、魔法だった。 人の精神力を物体化し、新たなエネルギー資源として様々な事象を引き起こす。 それが、魔法だ。 精神力を物体化したもの、つまりエネルギーそのものを『魔力』と呼び、それぞれが7つの属性と特性に大別される。 近年、精神力を物体化するプロセスは急速に簡略化され、簡単な符を描けば誰でも魔法を扱うことが出来る。 それというのも、魔法の使い方が中学の授業で必修となったためであり、中卒以上――――つまり、義務教育を無事に終えていれば、誰でも魔法を扱えるのだ。 しかし、思春期の中学生や高校生が魔法を使いたがらないわけがない。 人を傷つけられる魔法も少なからず習うのだし、それが中高生の間に影響を与えるのは当然だ。 そこで学校側は『魔法部活』というものを設置した。 これは、魔法を使って様々な運動や文化活動に参加できるもので、普通の部活とは別に活動している。 そして、今最も中高生たちを熱中させている、『魔法部活』というものがある。 時は遠未来。 高度な科学技術が発達し、高校や大学が航空戦艦をも所有する時代において、まるで戦争のような戦闘を行う部活。 それが、戦争部だ。
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