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学園の広大なグラウンドの上空に、直径100mほどの球体が浮いていた。
透明な壁で作られたなめらかな球体は、対物対魔法障壁。
その中に、1人の少女が浮いていた。
黒いストレートの髪の毛は双の束に結い上げられ、端は腰の辺りまで艶を光らせている。
可愛さの先行した顔立ちは、白く透き通った肌と相まって、どこか儚い雰囲気を纏っていた。
学園の制服を自分で改造しているのか、和服のテイストが混ざったその衣装の袖を、彼女は一度強く振った。
「えっと、戦争部への入部希望、ありがとね」
彼女がたった1人で対するのは、数十人の男女入り混じった集団。
彼らは全員、聖城学園戦争部への入部希望者だ。
「今回は希望者多数ということで、ふるいに掛けようと思うけど、条件は覚えてるかな?」
彼女の言葉に、全員が一様に頷く。
強い緊張感と共に、彼らは気合いを魔力として周囲へ溢れ出させていた。
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