第1章

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未来は、流歌の額にくっつけた自分の頭をぐりぐりと振った。 その度に、流歌は「あぅあぅ~」と唸る。 「でもこの学校の伝統だよ? 破るわけにはいかないでしょ……」 その言葉に、未来は流歌の額から離れると、苦笑を浮かべて彼女の頭を撫でた。 「るーちゃん、前から言ってたもんねえ? 伝統は守るって」 すると、流歌は体を起こし、真っすぐな目で未来を見据えた。 「やっぱりさー、勝ちたいよね……」 全国的な人気を誇る魔法部活、『戦争部』。 個人の高速飛行を可能とする飛行ユニット、《Space Sonic》。 身体能力を爆発的に強化する超運動鎧 (Over Drive Armor)、《Hooliguns》。 これらの様々な科学兵器や巨大な航空艦を用い、実際の戦争さながらの戦闘を競技とする部活である。 高度に発達した科学技術と、魔法の力。それを掛け合わせた、魔法戦闘。 それは当然、人数が多い方が有利である。
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