恋文日和

文

それは、ほんの出来心だった。
本来なら出来心なんて一言で済ませられない。

そんな罪を、俺は犯してしまった。

(あれ？英語のノートがない…)

昼休み。そういえば次の英語で当たることを思い出し、俺は一足先に輪から抜け出し自分の席に戻った。そこで鞄にも机の中にも英語のノートがないことに気付いた。

そういえば。昨日のノートを写させて欲しいとコジに言われて貸したことを思い出した。

「コジ。俺の英語のノートは？」

「あぁ、鞄中あるから勝手に取ってー」

渋々コジの席まで行き、鞄の中を物色。誰から借りたのか、そこには漫画が数冊と雑誌が一冊。

いつものことだけど、教科書持ってかえる気ないな、こいつ。