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「今朝靴箱に入ってたんだけど。差出人が…」 便箋に書かれた名前だけを光黄に見せると「あ、この人…」と、目を見開いた。どうやら知ってるらしいな。 「知り合いなのか?」 「まぁ。同じクラスですから」 「うっそ!?どんな奴?」 やっぱり興味がある。だって俺のことを好きだと言ってくれたんだから、俺には知る権利はあるはずだ。今度、何か口実作って光黄のクラスに行ってやろうかな。 「…意外だなぁ」 「え?」 「あ、この人なんですけど…いつも一人で本を読んでて、オシャレとか恋愛とか興味なさそうな感じだったんで。意外でした」 一人で本を読んでいる。 その言葉に、入学当初の曜介を思い出した。確かに曜介は今でも本を読むのは好きだけど、一人で本を読むなんてことはない。 どんな奴なんだろうか。 益々興味が沸いてきた。  
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