第二章 『惑思なる千里眼』

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「おわかりですか? あなたはね、私とゲームを始める前から勝負に負けていたのですよ、残念でしたねぇ~、クックックックック」 ミハイルは勝ち誇ったように笑った。 「胡蝶の夢、という言葉があります。夢と現実、そのどちらが本当の現実なのかわからない―― あなたはまさに、そんな幻影の中を彷徨っていたのですよ。 私の思惑に乗って、まんまと騙されたわけです」 ミハイルが指を再度鳴らした。 「そして、私の目的もまた達せられました。私の勝ちですよ、清夢騎人さん」 「な!? 体が……」 ナイトの体が、凍りついたように動かなくなってしまった。 そこでようやく気づいた。 ナイトの足元、公園の広場にはナイトを中心に、巨大な魔法陣が描かれているのだった。 その魔法陣の描かれた模様に魔力が走り、強力な魔乖咒の力がナイトへと流れ込んで来るのが感じられた。
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