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返答もないから、ちょっと回り込んで先に進もうとしたら、またしても俺の前に通せん坊してきた。
「なぁ、俺になにか用なのか?」
そういうと、その女性は空に手を掲げた。
「そうね。ようは、あるわ」
なんだ。何かのおまじないか。
その女は何かを持て余すように、空に掲げた右手首をくるくるとまわし始めた。
自然と視線は彼女の上に向かう。
「なッ……!?」
俺がそこで目にしたのは、雲でも太陽でも空でもない。
彼女の真上にいつの間にか形作られていた大きな氷柱だった。
「それじゃ、始めましょ?」
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