16人が本棚に入れています
本棚に追加
「迷ってるなら行こうよ。
大学生じゃ食べられないものおごってあげるから」
わざとらしく眼鏡をくいっとあげる女の人もとい柊舞子さん。
「どうして俺が大学生って?」
「あ、やっぱり大学生なんだ?
そうだと思った」
何だか上手く相手のペースに乗せられてる気がする。
だけど、何の根拠もないけど言えることが1つある。
「じゃあ、ステーキでもお願いします」
「ぷっ。ステーキって言うのもまた大学生らしいわね」
この人はきっと悪い人じゃない。
「ほら、いつまで突っ立ってるの? 乗りなよ」
柊舞子さんに言われるまま俺は助手席に座った。
それを確認して柊舞子さんはエンジンをかけた。
「君、名前は?」
「佐久間 ツバキです」
「そう、じゃあツバキって呼ぶことにする。
私は、柊 舞子。気軽に舞子って呼び捨てて構わないよ」
そう言う訳にもいかないだろう。
「じゃあ舞子さん、ご馳走になります」
「任せて。じゃ、行くわよ?」
そうして舞子さんは車を走らせた。
本当にこの選択で良かったのだろうか。
何だか今日は色んな事が起きてる気がする。
今は流されるまま流れていくしかないのかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!