1.別れ

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「迷ってるなら行こうよ。 大学生じゃ食べられないものおごってあげるから」 わざとらしく眼鏡をくいっとあげる女の人もとい柊舞子さん。 「どうして俺が大学生って?」 「あ、やっぱり大学生なんだ? そうだと思った」 何だか上手く相手のペースに乗せられてる気がする。 だけど、何の根拠もないけど言えることが1つある。 「じゃあ、ステーキでもお願いします」 「ぷっ。ステーキって言うのもまた大学生らしいわね」 この人はきっと悪い人じゃない。 「ほら、いつまで突っ立ってるの? 乗りなよ」 柊舞子さんに言われるまま俺は助手席に座った。 それを確認して柊舞子さんはエンジンをかけた。 「君、名前は?」 「佐久間 ツバキです」 「そう、じゃあツバキって呼ぶことにする。 私は、柊 舞子。気軽に舞子って呼び捨てて構わないよ」 そう言う訳にもいかないだろう。 「じゃあ舞子さん、ご馳走になります」 「任せて。じゃ、行くわよ?」 そうして舞子さんは車を走らせた。 本当にこの選択で良かったのだろうか。 何だか今日は色んな事が起きてる気がする。 今は流されるまま流れていくしかないのかもしれない。
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