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「まさか。こんな店にいつも来てたら破産しちゃうわよ。
今回は特別よ」
「その割には慣れてるなぁって」
「アンタより5年多く生きてればそれだけ多くのことを経験するわよ」
車の中で舞子さんの年齢が24歳であることが分かった。
親を除けば、今まで話してきた女の人の中では1番年齢が高い。
そのせいもあってか、舞子さんを凄く大人の女性に感じた。
「それで、何でツバキはそんなに目が真っ赤なのかな?」
俺は舞子さんに言われて思わず目をぬぐった。
「あはは、そんなことして真っ赤な目が黒くなる訳ないでしょ」
舞子さんに冷静に突っ込まれて俺は恥ずかしくなった。
その時店員さんが料理を運んできてくれた。
「まぁ、そういう話は食べ終えてからにしようか」
舞子さんは苦笑いしながらもナイフに手を付けた。
不慣れなナイフとフォークに苦戦したが、料理の味は確かに一品物だった。
多分俺が生まれてきた中で一番高いものだろうと悟った。
「美味しいでしょ」
「はい、本当にありがとうございます」
俺と舞子さんは数回に分かれて運ばれてくる料理に舌鼓を打っていた。
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