1.別れ

14/18
前へ
/86ページ
次へ
「コーヒー2つ、お願いします」 舞子さんは食後にコーヒーまで注文してくれた。 「あの、本当にありがとうございます」 「何でアンタがお礼言ってるのよ。 ツバキが携帯拾ってくれたんじゃない。 こちらこそ改めてありがとう」 舞子さんはそう言うが、いくらなんでも俺が得をし過ぎてるような気もする。 「そんなことより、目が赤い理由話してくれないかな」 運ばれてきたコーヒーを口に付けながら舞子さんが聞いてくる。 「……今日、彼女に振られたんです」 「あら、それじゃ聞いちゃまずかったかな……?」 舞子さんは俺を気遣うように言う。 でも今は変にため込むより誰かに吐きだした方が楽かもしれない。 その相手が友達の友希や麻里じゃなく舞子さんでいいのか、と思ってしまうが。 「いえ、逆に聞いてくれますか?」 「……聞いてもいいならね」 俺は舞子さんのその言葉を受け、今日のことを話した。
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加