1.別れ

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「連絡先交換しとこうか」 舞子さんはそう言って、携帯を出す。 俺もポケットから携帯を出した。 「へぇ、その子が柚香ちゃん? 可愛いじゃん」 「は、はぁ……」 待ち受けをもろに見られてしまった。 早く変えとかないとな……。 「よし、受信完了っと。 じゃあツバキ、また会おうね」 「はい、舞子さん今日は本当にありがとうございました」 舞子さんは左手をあげて答えてくれた。 俺は舞子さんの車が見えなくなるまで見送った。 携帯で時間を確認する。 3/24 0:45 もう、柚香に振られた昨日ではない。 これから俺は1人で自分の道を歩いて行く。 そう思うと胸をわしづかみされたような感覚に襲われる。 寂しい、会いたい。 そう思ってしまう。 『今日だけは泣いていいよ』 すいません舞子さん……。 やっぱり自分は、弱くて情けない男みたいです。 ぽた……ぽた……。 涙は携帯の液晶に落ちていき、笑っている柚香をにじませた。
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