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起動音と共にパッと液晶画面が光る。
そして初期設定のままの待ち受け画面になった。
待ち受け変えないってことは、あまり携帯電話を使わない人なのかな?
……待ち受けか。
俺も変えないとな。
『お互いの待ち受け、私達のプリ画にしようよ!!』
屈託のない顔で笑っていた柚香。
くそ……何で柚香のことばかり考えちまうんだ。
もう……柚香は……いないのに……。
俺はこの携帯電話をどうしようか迷った。
警察に届けてもすぐに持ち主に届くんだろうか。
少し考えて俺はこの携帯のオーナー情報を見ることにした。
柊 舞子とそこには表示されていた。
そして、携帯のアドレス、電話番号……。
ん……?
携帯のアドレスの下にもう一つアドレスが入っていた。
アドレスからするにそれはパソコンだった。
ここに送れば持ち主と連絡が取れるんじゃないか?
そう思った俺はパソコンを立ち上げそのアドレスにメールを送った。
『突然のメールすみません。
あなたの携帯電話を拾った者です。
お届けしたいのですが大丈夫ですか?』
当たり障りのないメール……だと俺は思う。
送信した直後、下から声がかかった。
「ツバキ、お風呂沸いたわよ」
「はーい」
俺はパソコンをそのままにして風呂に入ることにした。
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