1.別れ

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起動音と共にパッと液晶画面が光る。 そして初期設定のままの待ち受け画面になった。 待ち受け変えないってことは、あまり携帯電話を使わない人なのかな? ……待ち受けか。 俺も変えないとな。 『お互いの待ち受け、私達のプリ画にしようよ!!』 屈託のない顔で笑っていた柚香。 くそ……何で柚香のことばかり考えちまうんだ。 もう……柚香は……いないのに……。 俺はこの携帯電話をどうしようか迷った。 警察に届けてもすぐに持ち主に届くんだろうか。 少し考えて俺はこの携帯のオーナー情報を見ることにした。 柊 舞子とそこには表示されていた。 そして、携帯のアドレス、電話番号……。 ん……? 携帯のアドレスの下にもう一つアドレスが入っていた。 アドレスからするにそれはパソコンだった。 ここに送れば持ち主と連絡が取れるんじゃないか? そう思った俺はパソコンを立ち上げそのアドレスにメールを送った。 『突然のメールすみません。 あなたの携帯電話を拾った者です。 お届けしたいのですが大丈夫ですか?』 当たり障りのないメール……だと俺は思う。 送信した直後、下から声がかかった。 「ツバキ、お風呂沸いたわよ」 「はーい」 俺はパソコンをそのままにして風呂に入ることにした。
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