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「さっきから何見てるの?」
沢田先輩が首を傾げる。
「ゆずとその彼氏が来てるんです」
麻里がそう言うと、皆の視線が一斉に柚香とその彼氏に集中した。
「スーツってことは新しい彼氏は社会人なんだ」
「はい、確か24だったと思います」
沢田先輩と麻里がチラチラと二人の様子をうかがっている。
24ってことは舞子さんと同い年ってことか。
「おい、あんまり露骨だとばれるぞ。まぁ飲みながら見ようじゃないか」
いつの間に注文したのか佐伯先輩が二人の手にカクテルを持たせる。
きっとこの人は純粋にお酒が飲みたいだけなんだろうな。
「何かインテリって感じで私には合わないかなー」
梓ちゃんがお好み焼きを焼きながら感想を漏らす。
「もんじゃ食べに来るイメージじゃなさそうに見えるけどね」
確かに大宮先輩の言う通りだ。
イタリアンとかフレンチとかそういうのを好みそうに見える。
もしかして柚香が駄々をこねたのかもしれない。
柚香はもんじゃが大好きだった。
「ん、ゆずが席を立ったね」
柚香はそのままトイレへと向かう。
すると、1テンポおいて幸助がこちらへと歩いてきた。
「ねぇ、こっち来てない?」
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