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「もんじゃ美味しかったです!!」
「なら良かったよ」
俺達はもんじゃを食べ終わった後すぐに解散し、
大宮先輩に言われて俺は夏奈を送ることになった。
「でも、私許せないことがあります」
「柚香の彼氏のこと?」
俺がそう聞くと、夏奈は首を横に振った。
「確かにそれもありますが、先輩、私に隠し事してましたね。
ツバキ先輩の元カノさんって柚香先輩だったんですか」
あぁ、そのことか。
確かにそのことは夏奈には伏せていた。
同じサークルの仲間だし変に気を遣わせてしまいそうだったからだ。
でも言ってしまった以上は仕方ない。
「あぁ、そうだったけど」
「そうだった……じゃあありません!!
私はツバキ先輩のこと……もっと知りたいんです!」
「え……?」
俺が聞き返すと夏奈はコホンとわざとらしく咳払いをした。
「お酒が入りすぎちゃいました。と、とにかく!
柚香先輩、何であんな人を選んだんですかね?
私だったら迷わずツバキ先輩を選びますけど!!」
「はは、ありがと」
俺は夏奈の冗談を軽く流す。
柚香は幸助のどこが気にいったのか。
それは確かに俺も気になることだった。
あんなに高圧的で、人を見下してばかりの男。
それとも柚香の前では凄く優しいとかなのか……?
「先輩」
「ん?」
気付けば夏奈は歩みを止めていた。
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